貧困乙女、愛人なりすましのお仕事を依頼されましたが・・・
ロートリンデン家、家令の面接

<ロートリンデンの家令の面接>

2メートルほどの高さがあるアイアンワークの門の前で、ランス所長は車から降りた。

「ここから、車でまた5分かかるらしい・・・」

そう言って、携帯で誰かに連絡をしている。

ジェシカはバリーと一緒に車を降りると、ぐるりと周囲を見回した。

うっそうとした森・・・中央にぎりぎり車が入れる一本道がずっと続いている。

ここは巨大なドッグランで、野うさぎやリスがいるかもしれない。

ジェシカは胸いっぱいに、懐かしい森の匂いを吸い込んだ。

「ええ、ラブストック警備保障のランスです。
有人警備の件で、担当者を連れてきましたので・・・
ハイ・・・ハイ・・・お願いします」

すると、門が自動で、ズルズルと横に開き始めた。

「よし、行くぞ」

ランス所長は目配せをして、車に乗り込んだ。

「本館の横にガレージがあるらしい。その2階で待っているとさ」

ゆるゆるとした上り坂を上がると、
小高い丘に館が建っているのが見えた。
本館の手前に、2階建てのガレージがある。
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