貧困乙女、愛人なりすましのお仕事を依頼されましたが・・・
「ん、もうっ!バリー!!だめって!!」

アレックスはハンカチで目をぬぐいながら、笑った。

「バリーも家族だって、そうだろう?」

バリーは、ブンブン尻尾を振っている。

「美味いジャーキーをくれる人と、
一緒にいたいだろう?」

アレックスはバリーをだきしめて、
その温かさを感じていたが、何か思いついたようだ。

「私は君に、ロートリンデン夫人の役をやってもらいたいと思っています」

今度は、愛人ではなく、ロートリンデン夫人になれと?

「でも、ロートリンデン夫人って・・・?」

ジェシカは、いきなりの急展開に、頭がついていけてない。

アレックスは、少し考えこんだが

「いきなりは厳しいかな?
まず私の婚約者という役で、どうですか?」

ジェシカは目をぱちぱちさせて、
これはもしかしてプロポーズ?

いや、そんなはずはない、と混乱していた。

「あの・・・訓練施設の仕事があるので・・・」

アレックスが、ジェシカの手を強く握った。
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