好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 情報漏えいが後を絶たないこのご時世、とうとう自分の会社でもそんなことが、と、彼女は身の引き締まる思いでその知らせを聞いた。後処理と対策に取り掛かり、早速『情報取り扱いマニュアル』なるものを蒔田と作ったばかりだ。
 ドキュメントには厳しい宗方が、珍しく「よくやった」と褒めた。
 その蒔田がなんてことないと言うのだから本当にそうなのだろう。「……大変ですよね、GLって。休日に電話来たりするんですよね」
「滅多にないさ。こないだみたいなことは」
「そのこないだみたいなことが一定割合であるから大変だと言ってるんです」
「それも仕事のうちだからな。誰かが頭下げなけりゃ納得行かない場面がどうしてもある。仕方ない」
「蒔田さんって案外……、割りきってますよね」頭下げるなんて似合わないキャラなのに。
「どういう意味だ」と蒔田が食いついた。
「しなければならないことを割りきって出来る人間と、いつまでも納得しない人間の二つに二分されると思うんです、世の中は。蒔田さんは……、間違いなく前者ですよね」
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