好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 桐沢としては、蒔田に挑戦状を叩きつけて榎原を口説きにかかったところが、泥を塗られたかたちだ。

 格好悪いし、示しがつかない。

「おれと、勝負してくれませんか、蒔田さん」

 そんななかで、桐沢は一撃を放った。

 なんで、という疑問を持つのは榎原一人だけだ。彼女だけこの場の空気を読めていない。

 ひとりの女をめぐる、男たちのやり取りを。


「構わんが、白黒はっきりつけられるものがいいな……」


 ここで悠然と。

 微笑すら浮かべながら蒔田一臣は答えたのだった。


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