好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
(……怪我? それとも試合中に痛めたとか……?)

 不安が彼女の胸をよぎる。

「あっ」

 言っているうちに、高く上がったボールをヘディングに行った蒔田と相手ディフェンスが交錯。蒔田を下にし、相手が乗っかる形でもつれ込んで倒れた。冷やりとする。サッカーは、こういう接触プレーがあるから怖い。こういうのが怖くて彼女はあまり見ないのだ。

 相手は起き上がったが、蒔田は、上半身を起こしたものの、座り込んだまま……

「あ。バツ出ました……」残念な気持ちがその声音にこもる。

「えっ怪我!?」彼女は思わず叫んだ。
「歩けるみたいですけど……」目を向ければ、びっこを引く歩き方で蒔田がピッチをあとにしている。
「たぶん、……元々悪いんじゃないかな」
「えっ」彼女は竹田を見た。頬杖をつく竹田は、思いのほか真剣な顔をしている。
「だってなんか、……鬼気迫るっていうか、スタミナ考えない走り方してた。あれじゃ後半持たないだろうなって思って見てた……」
 ピッチの外で試合を見守るチームSEに加わった蒔田は、座って、膝をアイシングしている模様。

「……知らなかった。だって蒔田さん……」
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