好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
『構わんが、白黒はっきりつけられるものがいいな……』

 自分から持ちかけた勝負だ。

「相当うまいよね。……さっすがプロの樹さんの弟って感じ。もしかしたらプロになるつもりで学生時代頑張ってたのかもしれないね」
「蒔田さん、学生時代サッカー部だったみたいですよ」
「よく知ってるね」彼女は知らなかった。
「あ。樹さんが動いた。……3バックにするっぽいね」見れば、蒔田樹が指を三本立ててなにか指示を送っている。こうやって、監督は試合を動かすのかと、なんとなく感心して彼女は眺めた。

 一方、蒔田一臣は三角座りをして試合を引き続き観戦している様子。怪我がすぐさま病院に向かうほど酷いわけではなさそうなので、彼女は、すこし安心し、試合よりも彼のほうを見続けた。

 * * *

「……紘花ちゃーん」

 げっ。

 と言いたいのをこらえ、彼女は振り返った。「なにか、用……?」
「用ってわけではあらへんけど、見た見た? おれのゴールシーン」
「……蒔田さんのゴール、すごく綺麗だった。二点とも綺麗なヘディングで」
「……」
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