好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 * * *

「えぇーっストーカーってことっすか!?」
「しぃーっミカちゃん声が大きい」後輩の道林に指を立てて注意するのなんか何十回目だろう。いつもいつも注意している気がする。
 ……幸い、周りを見ても誰も彼女たちに関心を向けていないようだったが。
 ごほん、と咳払いをして彼女は話を続けた。「……うん。若い変な男のひとに追っかけられた」
「違う可能性ないんですが? たまたま帰る方向が一緒だったとか……」
「あたしが雑誌立ち読みしてたらぴょんぴょん飛び跳ねて顔確認してんだよ?」
「……気持ち悪いっすね。で、相手の顔見たんすか」
「見た。ごくふつー……、なだけにたち悪いって感じ」
「怖いっすねー帰り気をつけてくださいよ」

 この後輩のつぶやきは届かなかった。


 * * *

「ひっ……!」

 下に封筒が落ちているのを見て、落として放置しておくだらしない住民もいるものだと思ったが。

 自分の部屋の郵便ボックスががら空きだった。鍵は壊れていない。扉のうえの隙間から手を突っ込んで無理矢理取り出したのか。

 自分宛ての郵便物を拾い集める。開封済み、未開封のものと様々だ。下着通販のダイレクトメールが開封済みだったのがなんとなく気持ち悪かった。
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