好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 一瞬、父親は面食らった顔をしたが、すぐに笑い出した。「そりゃあ、……愛されてるね、娘は」

「どちらかといえば僕のほうが愛されている気がします。いえ、彼女は、正直、……情の深い人間だと思っています。僕には到底かなわない……誰かを一途に愛し続ける真剣さにおいて」

 自然と出てくる自分の本音に驚く。もしかしたら、自分は。


 榎原紘花を真剣に愛しているのでないか?


 榎原俊之の表情から笑みが消え、真剣なものへと変わる。「彼女は……昔の自分の話などしたことがあるかね。生い立ちとか……」
「生い立ちですか。ありませんね……」

 ふむ、と父親は顎に手をやり、考える仕草をする。


「きみの両親が、もしかしたら相手の生い立ちなどを気にする可能性も考慮して、僕は話すべきかもしれない」


 と。


 榎原俊之は、娘となった彼女との出会いから切り出したのだった。


 *
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