好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
ひとりで生理用品を買いに行って、近所のひとに初潮がばれて気恥ずかしかった。
卑猥な本は、本屋で買うとその親にばれるから友達から借りた。
でも。
父親は、彼女のプライバシーにほどよく無頓着だったから、例えば日記など読まれる心配もなかった。
部屋に入られるようなデリカシーに欠けた行為とも無縁だった。
その自由は、勿論、部屋を自分で掃除する責任とも引き換えだが。
父親は、ある意味、自由人だった。
一介の勤めびとで、未婚のシングルファーザーという特殊な存在だが、どこかそういう枠組みを超えた、奔放な雰囲気が父親にはあった。
ところで、榎原紘花は、自分のことを『欠落した人間』だと感じないほどには、自由気ままに、育ってきたつもりだった。
父は、彼女のことを可愛がってくれた。
大切な一人娘として育て上げてくれた。
そのことに勿論、彼女は感謝をしている。