好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 蒔田は、片手で煙草をもみ消した。「気にしない、と答えた。……おれの親は、言い方はなんだが、おれがどんな馬の骨と一緒になろうが気にしない。結婚は自由だ。してもしなくても構わない。するなら好きな相手と一緒になれ、と言われている。言葉通りの意味ではなく、本気でだ。

 ……きみのお父さんには、希望を持たせる結果となってしまったかな」蒔田は、新しい煙草に火を点ける。

「それはあたしに対しても、です」

「嘘をつくわけにいかんからな」彼女の精一杯のアピールにも平然と返す。この上司をものにできるものならしてみたい、とその冷然とした表情を見て彼女は思った。

「つまり、……きみのお父さんをのちのち失望させる結果となったとしても、それはおれの責任だ」

「責任を負うんなら、その相手が違います。あたしに対してです」

「おれは、あずかり知らんが」

 肩をすくめる上司を、恨みがましい目で彼女は見る。

 次の一言でこの部屋を出ていこうと決めた。

 ガスの抜けた炭酸のような朝の蒔田は、なんにも考えていないようで、『主導権』を握っている。次に彼女がなにをしでかそうが、どこまでも冷静にいなすのだ。

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