好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!

act30. 侵害する可能性の考慮

「うん。うん。今度帰るよ。え。伯母さん帰国するの? ああそう。じゃあ楽しみにしてるって伝えといて。あ。話したいこともあるって……うん。分かった。じゃあ、お父さんからだ大事にしてね。うん。おやすみなさい……」


 手短に父に電話をした。

 週末、帰ると言ったら、どうやらちょうど同じ週に伯母も帰るらしい。伯母は。

 米国在住。好奇心旺盛で世話好きの、悪い言い方をすればおせっかいな中年女性だ。

 母親のいない彼女にとっては頼れる同性の親であり姉のような存在でもある。

 中学生の頃は、米国在住の割に年に何度も帰ってくる伯母のことを疎ましく思うこともあったが、いまもときどき耳の痛い説教をする。

 でも頼れる近親だ。

 同性でなければ分からないことはあるし、そういった場面で幾度も彼女は助けられてきた。

 生理痛が辛いときなんかこっそり打ち明けたし、父に黙ってナプキンを買ってきてくれたこともあった。実はトイレにストックも用意してくれている。

 嬉しい気持ちと、やや憂鬱な気持ちがすこしと。口うるさいところが玉に瑕だ。年長者の知恵に頼ってきたのは事実だが。

 そして口堅いほうだ。

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