好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 彼女の父・榎原俊之が現在住まう家は彼らの生家だ。

 伯母にとって帰省とは実家に帰ることでもある。

 * * *

「さあさ。たっくさん食べてくださいよ」

 それから三時間後。

 テーブルに乗り切らないくらいの豪勢な料理を作り、伯母は手を叩いて笑った。

「伯母さん、こんなに食べられないよお……」

「余ったら明日食べればいいじゃないか」と父が娘を席に促す。「……じゃあ、みんなでいただきますしようか。伯母さんもほら、はやく座って座って」

 父の『いただきますしようか』。決まって、子どものころ言ってくれた挨拶だ。

 なんだか、懐かしい。

「じゃあ」


 いただきます。


 三人揃って手を合わせる。互いに、目を合わせて、微笑みあった。

「美味っし……」一口含んで彼女は呻く。「伯母さんの料理、相変わらず美味しい……」
「料理は本当に得意なんだよね」
「なんですかその、料理以外は不得意とでも言いたげな言い方は」
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