好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 彼女は、部屋の片隅でウーロンハイをひたすら作ったり、宗方部長の話し相手をしたりしながら、蒔田のことを観察した。どうせ帰りは二人同じ方向だ。話せるチャンスはある。

 でも新橋駅を出る前に、話をつけたかった。

 そして一人で帰るつもりだった。


 * * *

「お疲れさまでしたー」
「お疲れさまでーす」


 第三事業部のほかの面々と、JR新橋駅の改札前で別れる。

 運良く、銀座線に乗るのは蒔田と彼女の二人だけだった。

「行くか」
「あはい。とそのまえに」彼女は、蒔田に向き直った。

「蒔田さん。お話が、あります」

「なんだ改まって」

「あの。その、

 ……ごめんなさい」

 彼女は、いきなり頭を下げた。

 顔を上げると、蒔田が当惑していた。当然だろう。

 いきなりそんな行動に出られても、驚くだけだ。彼女は言葉を繋ぐ。

「いろいろ……蒔田さんの気持ちも考えずに、振り回しちゃって、すみませんでした。

 でももう終わりにします」

 蒔田は、ただ待っている。彼女がなにを言うのかを。

 蒔田のことを見つめられるのも、今日で最後かもしれない。
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