好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!

act33. 彼のいない空虚な世界

「お見合いっ!?」


 それを聞いたときに彼女の声は裏返った。

「え。なんでそんな、藪から棒に……」

 焦りからか彼女は毛先をいじり始める。

「蒔田くんと、おつき合いをしていないんだってね」

「げっ、誰から聞いたの。……あ聞くまでもないか。伯母さんか……」

「父さんは少なからずショックを受けているよ。紘花に嘘をつかれたこと。その嘘のためにひとを巻き込んだこと」

「反省、してます……」

「父さんは、紘花が東京で危ない目に遭わないか心配だ。いままでだって不審者に付け回されたりしてたろ? 蒔田くんと会って、彼なら安心して任せられると思った。だから安心して帰ってきた。それがだ。

 父さんは、裏切られた気持ちになったよ」

「ごめんお父さん。怒ってる?」彼女は上目遣いで尋ねた。

「嘘のためにひとを巻き込んだことを怒っている」

「ごめんなさい」
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