好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 周りの勧めるいろんなことをやってみようと思った。

 それで、あの心配症の父親を安心させられるなら、喜ばしいじゃないか。

 自分も幸せになれるかもしれない。

「ひょっとしたら蒔田さんよりもかっこいいひとが来るかもしれないし、……かっこよくなくっても気の合うひとかもしれないし。

 血の通った人間らしいひとかもしれないし……」


『きみのことは部下としてしか見られない』


 あんなふうに冷たく断ることのない。


「いっつも仏頂面でもクールでも冷淡でも鉄面皮でもなくもっとヒューマニズムに満ち溢れた人間ばりばりってひとかもしんないし」


『資料作りの能力は天下一品だったな。もっと頼みたいくらいだった』

 褒めるときは声がちょっと高くなる。

 それも本人不在のところでとびきり褒める、場違いな男。

 空気の読めない男。


「影で褒めるんじゃなくって目の前でちゃーんとよくできたすごいねって言ってくれるひとかもしんないし」


『きみに誤解されようが、それで構わないと思っていた』


 しっかり目を見据えて拒絶しようとしていた。

 それなのにこまったときは助けてくれた。
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