好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
「素直でよろしい」薄暗いなか、蒔田が笑った気配を感じた。

 短い廊下を抜け、寝室に入る。蒔田は、彼女を抱きながら器用に扉を開けた。

 いつもの、見慣れた自分のベッド。

 小さめで長身の蒔田の足がはみ出てしまうかもしれない。

 状況が違えば、なにもかも違ったふうに見える。

 暗くカーテンも閉ざした部屋のなかで、そっと、ベッドに横たえられる。立ったままの蒔田は、ベッドから離れ服を脱ぎだした。

 暗闇をうごめくシルエット。もう後戻りできない。

 後悔する感覚など毛頭ないのに、引き返せないところへ行くのは多少の恐怖を伴う。

 勇気をもって、自分から脱いだ。ほんとうは脱がして欲しかったけど、もう待てない。


 ありのままの自分で、蒔田とぶつかりたかった。


「紘花……」

 蒔田も、ベッドに横たわる。彼女の髪を撫でながら愛しそうにその名を呼ぶ。触れられるだけでなみだがこぼれそうだ。

 彼女は、我慢するつもりはなかった。頬に添えられた蒔田の手を使い、そっと拭う。そして。

 自分から、彼を、抱きしめに行った。

 素肌と素肌が触れ合うとどうしてひとは感じるのだろう。
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