好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
「……は」読み終えたあと、ため息ともつかぬ声を漏らした。


(ミカちゃんの、仕業だったか……)


 行きのチケットを見せた。間に合うであろう時間に電話をし、鉢合わせさせる。

 ちょっと抜けたギャルに見えて、あの後輩はとんだ策士だ。

 敵に回さぬよう肝に命じつつ携帯を閉じると背後に気配を感じた。


 いま現在背後に気配を与えられる相手は、ひとりしかいない。


「起こしちゃいましたか、一臣さん」振り向かずに彼女は言った。

「いいや、何時間寝てた? おれら」

「二時間くらいですかね」

「寝過ぎじゃねえか? おなか空かないか。なんか食いに行くか。準備ができたら」

 寝起きそのものの彼女を蒔田は気遣っている様子だった。

「簡単なものでよかったら、あたし、作りますよ。うどんでも平気ですか」

「ああ。うどんが、食いたい」

 断定的に蒔田が言うので、彼女は笑いそうになった。「好きなんですか、うどん」
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