好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
「蒔田さん……」腕枕をしている蒔田を見つめた。天井を見あげる端正な横顔。「あたしのどこを好きになったんです」

「さぁな」

「ちょっとちょっと」彼女は顔を起こした。「そこは具体的な長所を即答してくださいよ」

「取り立てて大好きなところがあるのも胡散臭い気がしないか。その長所がなくなったらまるで相手のことを嫌いになるみたいじゃないか」

「あたしは蒔田さんの外見も意地悪くって皮肉屋な内面も好きです」

「そういうシニカルで素直なところがいいよな、おまえは」

「褒めたつもりですか」

「違う。率直な感想だ」

「蒔田さん、夕飯なににしますか」

「寿司が食いたい」

「あ。あたしもです……偶然ですね。出前でも取りますか」

「ああ頼む」仕事のときと同じ口調で蒔田が言う。

 この声にもあたしは惹かれたんだった……。

 彼女は、短いキスで応じた。


 * * *


 黙々と、寿司を食う男女が二人。


 キス。食事。セックス。食べることと生きることは同義だ。
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