好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
『好きだ、紘花。離れたくない』


 何度も、呆れるくらい、抱きしめられた。蒔田に飽きることなど考えられないのだけど。彼の声。髪の感触が、しっかり肌に刻まれている。


(幸せ過ぎる……)


 むふふ、と鏡のなかの彼女が笑い出す。幸せ過ぎて、頬が緩む。笑いを抑えられない。周りの人間に迷惑をかけた軽率さは反省すべきだけど、これから、蒔田と一緒の未来が、ある。

 どんなことだって乗り越えられそうだ。

 会いたいときに蒔田に、会える。

 あたしのことを、愛してるって言ってくれた。

 街中をあんなに叫んで探しまわって。


 今日という日は希望の一日。明日はまたなにが起こるか分からない。大多数の退屈と、すこしの甘酸っぱさを残した毎日が続いていく。

 今日も、明日も。昨日とは違う一日が、待ち構えている。

 翌日にあたらしい希望を持てることが幸せの一環だ。顔を洗い化粧を整える。

 道林にはメールを返した。先ずは『ありがとう』。

『あとで、話すね』と。

 
 * * *

「さーさーさー待ってましたよ寄ってらっしゃい見てらっしゃい榎原さん」
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