好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
act38. あたしを守り続けてくれたひと
「おはよ。蒔田さん」土曜日の待ち合わせは、笑顔とともに始まった。
「おはよう」と答える彼は全身黒。コナンに出るわけでもないのに黒ずくめの男。……恋人の父親と会うのだから、もうちょっと爽やか系のファッションで来て欲しかったのだが贅沢は言うまい。
来てくれたことに、価値がある。
「どう。緊張してる?」と彼女は彼に顔を寄せて訊く。
「いや、別に」ポーカーフェイスで蒔田は答えるのだが、彼女にはそれが嘘に聞こえる。しているんだ、絶対。
微笑みつつ、彼女は彼の手を取った。「じゃ、行こっか」
* * *
里澄駅に行くには、新宿で一度乗り換えてから急行電車で向かう。急行電車に乗るまでほとんど黙っていた二人。二人並んだシートに座り、いよいよと思ったとき、
「寝ちゃった……」彼女は声に出す。
そうしないと、諦めきれない気持ちで行動してしまいそうだ。脇腹をこちょこちょするとか。
(仕事で疲れてるんだもの、起こしちゃうのかわいそうよね……)
彼女は黙ってペットボトルのお茶を飲む。眠る姿。削げた頬。白い肌。端正な横顔。ほかの誰にも見せたくないくらい、愛おしい。
「おはよう」と答える彼は全身黒。コナンに出るわけでもないのに黒ずくめの男。……恋人の父親と会うのだから、もうちょっと爽やか系のファッションで来て欲しかったのだが贅沢は言うまい。
来てくれたことに、価値がある。
「どう。緊張してる?」と彼女は彼に顔を寄せて訊く。
「いや、別に」ポーカーフェイスで蒔田は答えるのだが、彼女にはそれが嘘に聞こえる。しているんだ、絶対。
微笑みつつ、彼女は彼の手を取った。「じゃ、行こっか」
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里澄駅に行くには、新宿で一度乗り換えてから急行電車で向かう。急行電車に乗るまでほとんど黙っていた二人。二人並んだシートに座り、いよいよと思ったとき、
「寝ちゃった……」彼女は声に出す。
そうしないと、諦めきれない気持ちで行動してしまいそうだ。脇腹をこちょこちょするとか。
(仕事で疲れてるんだもの、起こしちゃうのかわいそうよね……)
彼女は黙ってペットボトルのお茶を飲む。眠る姿。削げた頬。白い肌。端正な横顔。ほかの誰にも見せたくないくらい、愛おしい。