好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 仕事で疲れているに違いないのに、彼女の実家へ向かうことを選んでくれた。

 まごころを、感じた。

 薄く開いた唇。朱を帯びた、おんなのひとみたいな綺麗な色。上唇がすこし薄くって、……あの唇で幾度と無く愛されたこと。

 からだのあらゆる箇所を吸われたこと。

 見えないところに跡を残されたこと。

 ……思い起こしてしまうと熱が出そうだったので、彼女は気持ちを切り替えるべく、携帯を取り出した。道林にメールするつもりだ。

『件名:おはよヽ(^◇^*)/

 これから実家に帰るとこ。行ってくる!』


 送信して十秒足らずで返事が来た。「うわ、はや……」


『件名:\(^ ^)/

 外堀がっちり埋められてきてください!

 あっ式には呼んでくださいね(。・∀・。)』

「はは……」コミカルな後輩だ。結婚するかどうかなんてまだ分からないのに……。

 でもこの胸は期待に満ち満ちてしまう。蒔田との未来を。


(大事なのは、いま、いま……)


 泊まりがけの帰省だ。さきは長い。夜に備えて、彼女は寝ることにした。

 寝顔の写メを撮っておくことを忘れずに。
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