好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 お腹をくだしたと言って頭を下げたらしいが、なまじっか女性なだけに突っ込みにくい。それでも、きっちり雷を落とした宗方部長は、さすがだった。

 やかんに水を入れ、ガスに火を点ける。底が広いタイプだから十分足らずで沸く。待つ間を利用して煙草を吸うことにする。部屋に匂いがつくのを気にして換気扇の下で吸うという行動がなんだかせせこましい。

 自由、奔放。

 彼女のことは、そんなイメージだ。型破りというわけではない、むしろ常識的な方だが優等生風ながらもどこか型にはまり切らない部分があるのだ。

 なんせ、最初に見かけたのが靴を脱いだストッキングで階段を駆けあがる姿だったものだから、それから、急に切り替えられない。……親しげに接しすぎたかもしれない。

 後悔しても、遅い。


 傷つけたのだから。


 失恋したばかりの傷(原因は彼氏の浮気と見た)を癒やすどころか、よりによってまたも失恋の痛手を負わせたのだから。

 蒔田一臣の責任は、重い。
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