好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
『こんなことを余り言いたくはないが。きみは、いま、あまり、精神的に良好な状態ではない。自覚はあると思うが。それで、勘違い、というか、思い違いをしているのではないのか』
『は。勘違い? ですか』
『つまり、弱っているところを優しくされたからふらふらと気持ちが動いたという、現象だ。風邪引いたらお母さんの作ってくれるおかゆが美味しいのと同じだ』
『うちお母さんいないんですけど』
『それは、悪かった』
『謝るところが違うんですけど蒔田さん。優しくしたんですか? あたしに』
『したつもりはないが、いや、無自覚に』どうしてこんなしどろもどろになる。
『いいです、だったら明日っからあたしに冷たくしてください』

 どうしてそんな方向に話が進む。

『冷たくされても思い続けられたとしたら、あたしの気持ちが本気だって、分かってくれますか』

 強い口調であっても、そんな、どこか脆い、泣きそうな顔をして言われては、NOとは言えなくなる。

 勿論、無自覚なのだろう、彼女は。

 自覚しているタイプの女に自分は興味を持たない。

「興、味……」

 ここでやかんがけたたましく鳴った。頭のなかの警報が鳴る。
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