好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!

act5. 焼肉

「あのーぉ、榎原さんて蒔田さんにフラれたりしてます?」

「え、ちょっ……」彼女はビールを噴きそうになった。「なん、なに言ってるの」

「つくづく、榎原さんて嘘つけないひとですよね。大丈夫ですか」
「……よりによって『振られる』って結論が出てるところにいやその、オブジェクションというか……」
 ハラミ焼いちゃっていいすか? と断りを入れ後輩はトングで肉を取る。「だーって決まってるじゃないですか。二人なんかよそよそしいですもん。いつもと雰囲気違うし。てか蒔田さんが告るって先ず『ありえない』から反応窺ってみただけなんですけど」
「ありえないって」ちょっと傷つく。

 三週間前に彼氏に振られ(それも親友と浮気され)。

 つい一週間前に職場の上司にも振られたのだ。

 傷などまだ癒えていない。蒔田の顔を見るのも、嬉しいと辛いのと両方の気持ちが入り混じって複雑だし、『振られる』『浮気』などの単語にもやたら敏感になった。テレビでその単語が聞こえるとドキッとする。
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