好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 胸のなかに嵐が吹き荒れる、それを悟られまいとして、孤軍奮闘しているのも、誰も、知らないのだ。

「本当に、すまないと思っている……」
 同じ台詞を聞かされ彼女は言い方を変えた。「だから結論だけ教えて」

「おれは、知奈を、選ぶ」

 目眩がする。

 テーブルのうえのメニュー表が目に入るけれどなにも頼めるはずがない。店員が遠巻きにお冷やを出すタイミングを伺っている。
 どうやら彼女がそれに手をつけることは、無さそうだ。

「分かった」

「え!?」と知奈が言った。驚きも露わな表情だ。
 彼氏のほうは、少しの疑念を持っている様子。

「分かった、って紘花……」
「離れていく男を引き留める主義にはないの。いいよ。好きにすれば? ただし」

 彼女は、たっぷりと二人の顔を見回してから、言った。

「謝らなくていいから、暫く、あたしに連絡なんか取らないで?」

 知奈の大きな目に、みるみるうちに涙が溜まる。

 泣きたいのは、こっちのほうだ。
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