好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 生後間もなくして捨てられたその生い立ちにも関係している。つまり、赤子は無条件に可愛がるべきものという考え方が彼女には浸透しておらず、ゆえに赤子は未知なる怖い生き物なのだ。

 彼女は、未知なる怖い生き物だったゆえに母親に捨てられた。一人親である母を困らせ、育児放棄にいたらしめた。養父である母の兄の人生も狂わせた。

 こころのどこかで、自分の存在を否定する気持ちこそが、赤子への抵抗感へと繋がっている。

 ともあれ、彼女は、あの赤子が蒔田の隠し子かもしれない、という思考に至り、そしてそれ以上を考えないようにして過ごすことに決めたのだった。

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