好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
「彼には、道林さんみたく単発の持ち帰り案件メインで担当してもらう予定だ。名前は、一色(いっしき)修平(しゅうへい)くん」
「あ。知ってます。確か、内定者懇親会のときに話しした記憶が……」彼女の勤める会社では、内定が決まった新卒のために、社内を見学したり実際の社員に話を聞く機会を設けている。
 顔はあんまり覚えていないが、名前だけ記憶していた。
「へえそうなんだ。まあよろしく頼むよ」
「はい……」

 * * *

 新入社員は、いつ見ても眩しい。電車で見かければすぐ分かる。着慣れないスーツを着る姿。伝染したストッキング。学生らしさが抜けないキャピキャピした雰囲気。

(あたしにもそんな頃があったんだな……)

 もう入社三年目だ。大学時代のことなんか、遠い昔のように感じられる。

 学生時代と変わった部分。大きな期待をしなくなった。知奈なんか上手いこと言っていた。

『社会人て、なんか諦めたような顔してる』それこそが学生との違いだと、彼女は思う。
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