治療不可能な恋をした
「…うん。私も」
囁くように言い、耳元に口付ける。
「こうしてるだけで、幸せだよ」
「……っ!」
短く、震えるような息が理人の喉から漏れた。密着していた肌が一瞬離れ、見上げると、彼の瞳がまっすぐに梨乃を捉えている。
そこに浮かんでいたのは、愛しさと、それを遥かに上回る、どうしようもないほどの欲望。
欲しくてたまらない──そんな感情の滲んだ、余裕なんて欠片もない顔だった。
「……もう無理」
理人がかすれた声で呟く。そのまま体を重ねるように伏せて、梨乃の唇に深く口づけた。
キスはすぐに熱を帯び、舌が絡み、息が重なる。
手探るように抱きしめる腕の力も、だんだんと強くなっていく。
「煽ったのは、お前だからな…!」
そう言った理人の動きが深くなる。けれど言葉どおり、すべては愛しさの延長にあった。彼の熱とひとつになるたび、体の奥があたたかく満たされていく。
「んっ!……っ、あっ…ああ…!」
甘く、震える声が漏れる。心地いい甘い痺れが、全身を蹂躙していく。
(逢坂くん、好き。……大好き)
もう短い声しか出せなくなった中、理人の名前を胸の内で何度も呼びながら、彼の背中に回した腕に力を込めた。
「…、ぅ、…梨乃…!」
「あっ、ん、は、ぁあ…!」
やがて深い波が訪れ、梨乃の体はひとつの頂へと静かに辿り着いた。