治療不可能な恋をした
理人はスマホを返しながら、ふと漏らした。
「──幼馴染って……男、だったのか」
その声は低く、抑えているつもりでも感情の熱がにじみ出ていた。
梨乃は少し驚いたように目を見開き、狼狽えたように答えた。
「えっ? う、うん……言ってなかったっけ?」
理人は眉をひそめ、息をつきながら戸惑いを隠せなかった。
「言ってねぇよ。てっきり女だと思ってた」
その一言で理人の感情の堤防が揺らぐ。
「梨乃……まさかお前、わざと黙ってた?」
「!ち、ちが……!」
梨乃の声は震えていた。こちらの反応は予想外だったのだろう。視線が泳ぎ、動揺が隠しきれていない。
その無防備さと素直さが、理人の胸に余計な痛みを走らせた。
「そ、そんなつもり、全然なくて……」
「……」
「ご、ごめんなさい……」
反射的に謝る声に、理人の胸にざわめきが走る。
「……なんで男だって言わなかったんだよ」
その声は低く、どこか切実だった。
「……親も一緒だったし、本当にただの友達だから……」
梨乃は必死に言い訳を並べるが、その声は震え、涙が滲み始めていた。