治療不可能な恋をした
[お疲れさま。実は今ね、絢斗が病院に来てて、一緒にランチすることになったの]
一瞬、自分の目を疑った。
「……は?」
(絢斗って……"あの"幼馴染、だよな?)
眉間に深く皺を寄せ、思わず舌打ちをしそうになる。胸の奥がざわつき、抑えきれない不快感がこみ上げる。
自分の感情がこんなことで揺れることに苛立ちつつも、次の行を見ると無意識に肩の力が抜け、ほんの少しだけ落ち着きを取り戻した。
[食堂で待ってるから、理人、来てくれる?]
胸の奥には、まだ嫉妬に似たざわめきが残っている。
梨乃に抱く確かな独占欲や、幼馴染に対する警戒心が入り混じって、胸の中がじくりと痛む。
それでも、素直に少し嬉しいという気持ちも芽生えていた。声をかけてくれたことで、梨乃がちゃんと自分を意識してくれているという安心感と、ほんの少しの心地よい優越感が入り混じる。
(まあ……こうやって俺に声をかけてくれてるわけだし、変なことにはならねえ、よな……)
「……ふー……」
理人は深く息をつき、胸の中で渦巻く苛立ちや嫉妬、少しの嬉しさもすべて受け止める。
気持ちを切り替えるように肩を軽く伸ばし、メッセージに返信するより早く、そのまま食堂へ向かって歩き出した。