旧校舎のあの子
小学校のころからバスケに親しんでいた徹さんはとても大切にしていたバスケッシューズがあるのですが、それはもうサイズが小さくなっていて、バスケ部の後輩に譲ったのだそうです。
そのシューズを後輩が大切にしてくれているかどうか気になった徹さんは、バスケ部が練習を始めた時間を見計らって体育館へ行ってみたそうです。

体育館の中からは生徒の声とバスケットボールをドリブルする音が聞こえてきています。
やってるな。
そう思って扉を開けて見たけれど、中には誰もいなくて、体育館の中央にポツンとバスケットシューズが置かれていたんだす。
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