旧校舎のあの子
どういうことだろうと思ってバスケットシューズまで歩み寄った時、この日は部活動が休みの日であることを思い出しました。
その次の瞬間目の前にあったはずのバスケットシューズは消えていました。
「どうしたんだ?」
突如後ろからそう声をかけられて振り向くと、バスケ部の顧問の先生が立っていました。

徹さんはどうにか誤魔化して帰宅しましたが、その夜のことです。
学校共通のメッセージグループに、こんな内容が送られてきました。

【今日16時頃、2年3組の山本??くんが交通事故にあいました】
それは2年生の男の子が亡くなったことを知らせる連絡だったのです。
それを見た瞬間徹さんは慄然としました。
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