旧校舎のあの子
メモ
イトコの葬儀に出席した後もしばらくイトコがいなくなってしまったという実感は湧いてきませんでした。
今まで普通に近くにいた人が突然いなくなってしまうと、人は理解が追いつかず、感情変化も伴わないものなのですね。
だけどいつもイトコがいた駐在所を通りかかってそこには別の警察官がいて、イトコが使っていた自転車はいつの間にかなくなっていて、だんだんとイトコがいなくなった世界が私の中に入ってくるようでした。

そのころになってようやく焦燥感にも似た感情が湧き上がってきた私は、不意に自分のせいでイトコが死んだのではないかという妄想に囚われてしまったのです。
なぜそのような妄想が出てきたのかというと、もちろんイトコにあの廃病院の話をしたからです。
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