断罪の鐘で永遠を誓う ~かつて攫われた王妃候補は、最愛の誘拐犯に会いに行く~
「ぇ…、あ」
一瞬、ラドルと出会ったあの瞬間が鮮明に蘇った。
しかしすぐにそれは違うと気づく。
「だ……れ?」
目が合ったのは、ラドルとは似ても似つかないフードを被った赤紫色の髪の男だった。
男は私の腕を掴んで床に押し倒すと、ナイフのようなものを私の喉元に向けた。
あ、殺される。
自分の命が危ない状況にも関わらず、脳は酷く冷静だった。
「………お前、何で笑ってんだ」
反射で目を閉じていると、低く唸るような声が聞こえた。目を開けると、顔を顰めた男と目が合う。
「…笑ってました?」
「それも随分と幸せそうに笑ってたぞ」
「お気になさらず。どうぞ、思いきり刺してください」
「はぁ?」
軽く上半身を持ち上げ、ナイフに自分の首を押し付ける。すると男は、慌てたようにナイフを引っ込めた。
「何してんだお前」
「え、だからどうぞ刺してくださいって。私を殺したら、お金が貰えるのでしょう?」
「殺されるんだぞ」
「分かってますよ」
男は、呆れたようにため息を吐くと、私の上から退いて立ち上がった。そして、そのまま窓から出ようとするので、慌てて引き止める。
「ちょっと待ってください!」
「何だよ」
「帰るなら、せめて誰に雇われたか教えてください」
「守秘義務がある」
「摘発したり、外部に情報漏らしたりしませんから!なんなら、誰が私のことを恨んでいるか知って、殺してもらいたいだけですから!!」
「……あれだな、うん。やっぱり金額で仕事引き受けない方がいいな」
男は、完全に引いた表情で、私のことを見下ろしてきた。
一瞬、ラドルと出会ったあの瞬間が鮮明に蘇った。
しかしすぐにそれは違うと気づく。
「だ……れ?」
目が合ったのは、ラドルとは似ても似つかないフードを被った赤紫色の髪の男だった。
男は私の腕を掴んで床に押し倒すと、ナイフのようなものを私の喉元に向けた。
あ、殺される。
自分の命が危ない状況にも関わらず、脳は酷く冷静だった。
「………お前、何で笑ってんだ」
反射で目を閉じていると、低く唸るような声が聞こえた。目を開けると、顔を顰めた男と目が合う。
「…笑ってました?」
「それも随分と幸せそうに笑ってたぞ」
「お気になさらず。どうぞ、思いきり刺してください」
「はぁ?」
軽く上半身を持ち上げ、ナイフに自分の首を押し付ける。すると男は、慌てたようにナイフを引っ込めた。
「何してんだお前」
「え、だからどうぞ刺してくださいって。私を殺したら、お金が貰えるのでしょう?」
「殺されるんだぞ」
「分かってますよ」
男は、呆れたようにため息を吐くと、私の上から退いて立ち上がった。そして、そのまま窓から出ようとするので、慌てて引き止める。
「ちょっと待ってください!」
「何だよ」
「帰るなら、せめて誰に雇われたか教えてください」
「守秘義務がある」
「摘発したり、外部に情報漏らしたりしませんから!なんなら、誰が私のことを恨んでいるか知って、殺してもらいたいだけですから!!」
「……あれだな、うん。やっぱり金額で仕事引き受けない方がいいな」
男は、完全に引いた表情で、私のことを見下ろしてきた。