断罪の鐘で永遠を誓う ~かつて攫われた王妃候補は、最愛の誘拐犯に会いに行く~
__ラドルが、処刑されていない?

それは、一体どういうことなのだろうか。

「ラドルという男が処刑されるはずだったあの日、当時の王妃様が急死されたのじゃ。処刑は急遽取り止めとなり、王妃様の国葬が行われた。結局、王妃様の死因は分からなかったが、『次の王妃となる可能のある令嬢を攫った悪魔を殺そうとしたからだ』『悪魔が自分の処刑を中止させるために、王妃を呪い殺した』という噂が後を絶たなくなり、結局ラドルには罪人の印を焼き付け、永遠に国外追放となったのだ」

 老人の言葉を上手く理解できない。
 足の力も抜けてまともに立っていられなくなる。

 カクンと膝が折れた時、何でも屋の男が私を支えてくれた。

「おい、大丈夫か?」
「……死んでなかった」

 何でも屋の男に支えてもらいながら、浅い呼吸を繰り返す。

 苦しいがそれでも言葉にせずにはいられなかった。

「ラドルは死んでなかった!!!!!」
「ちょ、静かにしろ」
「ずっと死んだと思ってた!!殺されたと思ってた!!!」

 ラドルが生きている。

 その可能性だけで私の心は軽くなった。

「良かった……、生きてて良かった」

 一通り喜ぶと、途端にボロボロと涙が零れてくる。拭っても拭っても涙は止まらない。
 2人は心配そうに私を見るも、そう簡単には止まってくれない。しゃくり上げながら、何とか言葉を紡ぐ。

「取り乱してしまい、申し訳ありません」
「いや、謝らんでくれ…」

 老人は眉を下げながら、悲しげな表情をした。

 それから、私たちが墓に害を及ぼす気がないことを分かってくれたのか、老人は「今日は冷えるから気をつけてな」と残して小屋に戻っていった。
< 16 / 19 >

この作品をシェア

pagetop