断罪の鐘で永遠を誓う ~かつて攫われた王妃候補は、最愛の誘拐犯に会いに行く~
「降参だよ。俺もエレナを愛してる」
「……っ!」

 思わず顔を上げると、ラドルは苦しそうに微笑んでいた。
 彼のそんな表情を見たのは、初めてだった。
 
  何で、今、気持ちが通じたんだよ…?

「だけどな、俺はもう大人でお前はまだ子どもだ。流石に、な?」
「だ、誰も気にしないよ。それに私、元王妃候補だからそういう知識もあるよ」
「大事にしたいんだよ。分かってくれ」

 その言葉と共に、額に軽くキスをされる。それだけで胸の中に湧き上がっていた正体不明の焦りが嘘のように霧散していくのが分かった。
 それだけで幸せになれる。きっと私をこんな気持ちにしてくれるのは、彼しかいない。

「エレナ」

 名前を呼ばれて目を開くと、ラドルが真剣な目で私を見つめていた。思わずドキリとする。

「俺に愛される以外でやりたいことは?」
「ラドルと結婚式を挙げたい」
「即答かよ」

 彼はケラケラ笑うと、部屋の灯りを消した。そして、私を抱きしめたままベッドに倒れこんだ。

「私が大人になったらお嫁さんにしてくれる?」
「……お前の花嫁姿を楽しみにしてるよ」
「うん、期待してね」

 2人でベッドに寝転がりながら、私はそっと目を閉じた。
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