断罪の鐘で永遠を誓う ~かつて攫われた王妃候補は、最愛の誘拐犯に会いに行く~
「王太子様」
「ああ、ミラエラか。どうした」
「お茶会にお誘いしたく参りました」
「そうか。悪いが、今日はエレナとの予定が入っているんだ。またにしてくれるか」
「え、で、ですが、エレナさんは眠られているではありませんか。それに、先日もエレナさんとのご予定があると、」
「ミラエラ」
「…っ!…失礼致しました」

 1分にも満たない会話だったが、この瞬間に私が王太子を嫌う理由の全てが詰まっていた。


 仕方なく目を開けると、私のことを愛おしそうに見つめる王太子と目があった。なんて惚けた瞳だろう。

「おはよう、エレナ。よく休めたか?」
「先ほどの対応は、あまりにも酷すぎるかと思います」

挨拶を無視して単刀直入に伝えるも、王太子はキョトンとするだけだ。

「何がだ?」
「ミラエラさんへの対応です。折角お誘いしてくださったのに、あんな断り方をするなんて、どうかしています。彼女の言葉を聞くに、以前からお誘いしてくださっているのでしょう?」
「あぁ。でも、俺はエレナ以外とのお茶会に興味はない。時間の無駄だろ」

 こういうところが本当に嫌いだ。
 何故この人は、私にも同じようなことをしていると気づけないのだろうか。私だって断れるもののなら、王太子とのお茶会を断りたい。
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