転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜

16.カミングアウト

「よし、皆行ったな! それじゃ、オリヴィアとラビッツとトラ、交互に乗りな。俺が押してやるぜ!」
「「結構よ」」
「乗らないにゃん」
「なんでだよ!」

 自分も遊びたいと言い出せなかった貴族でありお嬢様でもある二人のために、トラはああ言ったんじゃないのか!?

 天才的な俺の察知能力で理解して、このメンバーで残れるよう促したのに、なんで全員に断られるんだよ!

「悪いわね。あなたたち二人と少し話がしたかったの。トラがああ言えば、残ってくれると思ったから」

 なんだ。オリヴィアがトラにお願いしたのか……って、めちゃくちゃ仲よくなってんな。それに、俺の天才的な察知能力まで加味していたのか!?

「単刀直入に聞くわ。二人とも、中身だけは違う世界から来たのよね? 元はこの世界の人間じゃない。違うかしら」
「えっ」

 ラビッツと顔を見合わせる。

「……トラから聞いたのか?」

 トラが別世界から来たのは疑う余地もない。そしてトラがもし同じゲームをプレイしたことがあるのなら、俺たちがゲームとは別人だと察することは容易い。

「ニコラ様は以前のあなたとは全く違います。仲間思いではあったけれど、今ほど他の方を気遣えるような方ではなかったわ。ラビッツさんも、そんなニコラ様を気に入っている。そうでしょう?」
「えっ、わっ、わたっ、えっと、そんなことっ」
「答えなくてもいいわ。とにかく、おかしいと思ってトラに相談したの」
「……なるほど」

 トラがふふんと得意げに体を揺らした。

「にゃーは最初から分かってたにゃん! あんなに変な目でにゃーを見る二人は、この世界の住人じゃないにゃん」
「変な目ってなんだよ」
「変な目は変な目にゃん」

 それがどんな目かって聞いてるんだけどな。 

「それに、二人がラブラブなんておかしいにゃん」

 やっぱりゲームはプレイ済みか。

「そっ、そんなっ、ラブラブなんて、そ、そんなこと、な、ないし!」

 うぉぉ。赤い顔してツンツンするなっ。さっきからラビッツが可愛すぎる。正常でいられなくなるから話を変えよう。

「にゃーにゃーうるさいな。お前、男か女かハッキリしないよな。ついてんのか?」
「うにゃにゃ!? ついてるわけないにゃん! こんなに可愛いドレスを着て男なわけがないにゃん!」
「猫にドレスっておかしいだろう」
「丸出しにする方がおかしいにゃん!」
「ってことは、元は女性か。その姿で男見つけられるのか? そもそも雄の猫といたすのか?」

 ――バシーン!

 ラビッツの扇子が降ってきた。

「バカ王子!」
「ほんとにゃん。それに、恋愛はもうウンザリにゃん。人間であることをやめたかったから、女神が希望を叶えてくれたのにゃん。にゃーは、もうにゃーでいいのにゃん」

 ……闇が深いな!?
 お前、闇が深いマスコットキャラだったのか。これからはもう少し大事にしよう。

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