友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「離婚するしか、ないのかな……」
「諦めるのは、まだ早いよ! 旦那様の話を聞いてからでも、遅くはないよね?」
「恋愛は、1人ではできない」
「九尾くん……」
「あいつが恋愛感情をいだいていなければ、どうとでもなる」
「うん……」
私は蛍くんのことが好きだけど、彼は絶対に自分を好きになってはくれない。
それはそれで悲しいけれど、こちらが見返りを求めぬ無償の愛を注ぎ続ければいいだけのことだ。
――好きとか嫌いとかは置いといて、今は部下と仲直りする方法を探し出さなくちゃ……!
「そうと決まれば、まずはアポ取りからだね!」
莉子ちゃんに促され、ショルダーバッグからスマートフォンを取り出す。
画面を明るくさせれば、おびただしい量の通知が表示されていることに気づく。
「うわ……。着信とメッセージが、大変なことになってる……」
「それだけ大事に思われてるってことだよー! よかったね、ディレクターさん!」
「いいの、かな……。もう、よくわかんないや……」
「それ、貸せ」
「たろーちゃん?」
口数の少ない旦那さんが何かリアクションをする時は、よっぽどのことがあったときだけだ。
「諦めるのは、まだ早いよ! 旦那様の話を聞いてからでも、遅くはないよね?」
「恋愛は、1人ではできない」
「九尾くん……」
「あいつが恋愛感情をいだいていなければ、どうとでもなる」
「うん……」
私は蛍くんのことが好きだけど、彼は絶対に自分を好きになってはくれない。
それはそれで悲しいけれど、こちらが見返りを求めぬ無償の愛を注ぎ続ければいいだけのことだ。
――好きとか嫌いとかは置いといて、今は部下と仲直りする方法を探し出さなくちゃ……!
「そうと決まれば、まずはアポ取りからだね!」
莉子ちゃんに促され、ショルダーバッグからスマートフォンを取り出す。
画面を明るくさせれば、おびただしい量の通知が表示されていることに気づく。
「うわ……。着信とメッセージが、大変なことになってる……」
「それだけ大事に思われてるってことだよー! よかったね、ディレクターさん!」
「いいの、かな……。もう、よくわかんないや……」
「それ、貸せ」
「たろーちゃん?」
口数の少ない旦那さんが何かリアクションをする時は、よっぽどのことがあったときだけだ。