友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「俺の作戦勝ちです」
「え、ええ……?」
「上司と部下の関係を続けて2年。菫さんを騙して、ようやく夫を名乗る権利を手に入れたんです。俺のそばから離れるなんて、絶対に許さない」
蛍くんは瞳の奥底に隠しきれない執着心を覗かせると、繋いだ指先を見せびらかすように目の前まで持ってきた。
「だ、だって……。お互い、性愛を抱かないって約束は……?」
「菫さんに安心して夫婦という関係を受け入れてもらうための、嘘ですよ」
その光景に見惚れていれば、彼は絡め合う互いの指先に口づける。
それにぎょっと目を見開いて驚きつつ、私は呆然と呟いた。
「蛍くんってだいぶ、ずる賢い……?」
「今さら気づいたんですか」
彼は心底おかしくて堪らないと言うように爽やかな笑顔を浮かべた。
それは、出会った当初の仏頂面からは想像もつかないほどに別人のようで――。
私は思わず、あんぐりと大きく口を開けて叫んでいた。
「さ、詐欺だ……!」
「俺達は、もっとお互いを知るべきだと思います」
「それは、そうだけど……」
「離婚なんて、もう二度と口に出せないくらいに惚れさせてやる」
私が戸惑っている今こそが、勝負の時だと判断したのだろう。
「え、ええ……?」
「上司と部下の関係を続けて2年。菫さんを騙して、ようやく夫を名乗る権利を手に入れたんです。俺のそばから離れるなんて、絶対に許さない」
蛍くんは瞳の奥底に隠しきれない執着心を覗かせると、繋いだ指先を見せびらかすように目の前まで持ってきた。
「だ、だって……。お互い、性愛を抱かないって約束は……?」
「菫さんに安心して夫婦という関係を受け入れてもらうための、嘘ですよ」
その光景に見惚れていれば、彼は絡め合う互いの指先に口づける。
それにぎょっと目を見開いて驚きつつ、私は呆然と呟いた。
「蛍くんってだいぶ、ずる賢い……?」
「今さら気づいたんですか」
彼は心底おかしくて堪らないと言うように爽やかな笑顔を浮かべた。
それは、出会った当初の仏頂面からは想像もつかないほどに別人のようで――。
私は思わず、あんぐりと大きく口を開けて叫んでいた。
「さ、詐欺だ……!」
「俺達は、もっとお互いを知るべきだと思います」
「それは、そうだけど……」
「離婚なんて、もう二度と口に出せないくらいに惚れさせてやる」
私が戸惑っている今こそが、勝負の時だと判断したのだろう。