友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「次の挑戦者のみなさん! お待たせいたしました! ゴーグルを装着し、ハンマーを手にしてお待ちください!」

 私は店員さんの案内に従い、覚束ない手つきでゴーグルをつける。
 目の前には「準備中」の文字が表示され、器具をつけていない時に比べると視界がかなり悪い。

 ――ゲームが始まると、床に書かれた白丸からモグラが飛び出してくるんだよね……。

 私はいつでもゲームが開始してもいいように、両手でハンマーを握りしめ続けた。

「制限時間は60秒! それでは、レッツ、もぐポコ!」

「ゲームスタート」の文字とともに、穴からモグラの映像が投影される。
 私は右半分に飛び出してくる敵を中心に、片っ端から叩き回った。

 ――ここまでは、この間もうまく出来てた。
 複数飛び出てくると、訳が分かんなくなるから厄介なんだよね……。

「ハートのモグラ、同時に叩きますよ!」
「えっ!?」

 左側で一切の無駄なく武器を振るっている蛍くんから声をかけられ、慌てて画面に注目する。
 右端には目がハートのピンクモグラが、こちらをおちょくるようにバタバタと両手を動かして動いていた。

「せーの!」
「えい!」

 彼のかけ声に合わせて同時にそれを叩くと、音楽が変化する。
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