友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「せっかく有給を取るなら、うちにも来る?」
「1日に2回も挨拶なんて、疲れませんか」
「うんん。面倒なことは、一気にさっさと済ませたいよ!」

 私達は家族になったのだ。
 いくら両親と険悪な雰囲気であったとしても、顔合わせくらいはしておかないと後々面倒なことになる。
 そんな気がしてさっさと済ませようとやる気を見せれば、それもそうかと言わんばかりに彼も納得してくれた。

「わかりました。日程調節をしましょう」
「そうだね。いつがいいかな……?」

 私達は手帳を片手に、悩み始める。
 月刊誌の編集部は、毎回締切が決まっているからだ。
 トラブルさえ起きなければ休みは取れるが、無事に原稿を上げるまでは気が抜けない。

 私1人だけならどうとでもなるけど、2人まとめて定時帰りできる日を作るのは、かなり難易度が高かった。

「蛍くんのご両親は、休日休み?」
「そうですね」
「うちも、そうなの。事前に日程を決めるのは難しそうだし、イベントがない日を狙って前日に決めよー!」
「わかりました」

 それがいいと笑い合ったあと、蛍くんはお風呂に向かった。
 私はその間にメッセージアプリを使い、お姉ちゃんへ連絡を取る。
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