友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
『両親に旦那様を紹介しようと思うんだけど、事前に説明したほうがいうかな?』

 現在の時刻は1時13分。よい子はすでに眠っている頃だ。
 連絡が返ってくるのは朝方になるだろう。
 そう思っていたのに、意外にも数分とかからず返信がきた。

『彼氏すっ飛ばして旦那って、一体何事よ!?』
『実は、ついさっき結婚したの』
『急展開すぎるでしょ! 騙されてない? ほんとに、大丈夫?』
『うん』
『菫はお人好しだから、心配だわ』
『えー? そんなことないよー』
『あるからこうなったんでしょ!?』

 驚きを隠せない様子なのが、文章でもしっかりと伝わってくる。
 そんな姉の様子に苦笑いを浮かべていれば、ようやく冒頭の質問に対する答えが戻ってきた。

『両親には、事前連絡は不要よ。ただし、日にちが決まったら私にも連絡すること!』
『お姉ちゃんも来るの?』
『当たり前でしょ!? 妹がどんな男と結婚したか、見極めてやらなくちゃ!』

 今さら反対されたって、離婚するつもりはないんだけどな……。
 お姉ちゃんはなぜか、蛍くんに対してメラメラと闘志を燃やしていた。
 早く結婚しろって両親と一緒になって促してきたのは、お姉ちゃんの方なのにね? 変なの。
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