友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「まぁ、いいですわ。今日のところは、こうして顔を見せてくださっただけでもありがたいと思いませんと。ねぇ?」
「ああ。そうだな。本気で家を継ぐ気がないのなら、嫁を連れてくるはずが……」
「勘違いするな。俺は毎日のように釣り書を送ってくるお前らのやり方に、うんざりしただけだ」
「もう。素直じゃないんだから……」
「本当にな……」
私にこのままではいけないと思わせるには、充分だった。
「もっと真剣に、蛍くんの話を聞いてほしい」そう言わなきゃと思うのに、どうにもタイミングが掴めない。
そう感じるのは、ご両親から溢れ出る高級感の無せる技なのだろう。
「菫さん」
「は、はい!」
「今日は会いに来てくださって、本当に嬉しかったですわ」
「こ、こちらこそ! お会いできて光栄です……!」
自分から話しかけるのは無理かもしれないと諦めかけた時、ちょうどいいタイミングでお母様に声をかけられる。
私は緊張の面持ちで、作り笑顔を浮かべた。
「わたくしの一族は先祖代々、蛍火グループを引き継いでまいりましたの。この際、男児でも構いませんけれど――ぜひとも女児をご懐妊なさってほしいの。なるべく早く」
「母さん」
「す、すみません……。それはちょっと、了承できないです……」
「ああ。そうだな。本気で家を継ぐ気がないのなら、嫁を連れてくるはずが……」
「勘違いするな。俺は毎日のように釣り書を送ってくるお前らのやり方に、うんざりしただけだ」
「もう。素直じゃないんだから……」
「本当にな……」
私にこのままではいけないと思わせるには、充分だった。
「もっと真剣に、蛍くんの話を聞いてほしい」そう言わなきゃと思うのに、どうにもタイミングが掴めない。
そう感じるのは、ご両親から溢れ出る高級感の無せる技なのだろう。
「菫さん」
「は、はい!」
「今日は会いに来てくださって、本当に嬉しかったですわ」
「こ、こちらこそ! お会いできて光栄です……!」
自分から話しかけるのは無理かもしれないと諦めかけた時、ちょうどいいタイミングでお母様に声をかけられる。
私は緊張の面持ちで、作り笑顔を浮かべた。
「わたくしの一族は先祖代々、蛍火グループを引き継いでまいりましたの。この際、男児でも構いませんけれど――ぜひとも女児をご懐妊なさってほしいの。なるべく早く」
「母さん」
「す、すみません……。それはちょっと、了承できないです……」