友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「友情結婚の集いへようこそ。お連れ様は初めてのようですが、説明は必要ですか?」
「いりません。チラシだけ頂けますか」
「かしこまりました。それでは、素敵な一日をお過ごしください!」

 蛍くんは受付を済ませると、私に顔を隠す仮面とチラシを渡してくれた。
 猫のかわいらしいお面は、彼とお揃いのデザインだ。
 彼は当然のようにそれを身につけたので、私も見様見真似で装着する。

「お面は2人1組。ひと目でパートナーがわかるようになっています」
「もしも会場内ではぐれちゃったら、このお面の柄を頼りに蛍くんを探せばいいんだ?」
「今日はずっと一緒にいますよ。話しかけられても、無視してください。たまに、変な輩が迷い込むので」
「何度か来たこと、あるの?」
「菫さんを、得体のしれない場所には連れて来られません。下準備はバッチリです」
「おおー。さすがは蛍くん! 頼りになるね!」

 お互いにお面で顔を覆い隠しているせいで、表情を確認できないのが残念だ。

 あちらから声をかけられても応えてはいけないとなれば、自分から話しかける必要があった。

 ――きっと、誰でもいいわけじゃないよね。
 その見極めも、蛍くんに任せていいのかな……?
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