友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「もう、約束の1か月が過ぎちゃうのに……!」
「延長すればするほど、菫さんの家賃が勿体ないですし……。いっそのこと、一緒に住みますか」
「いいの!?」
「構いませんよ。やはり、2人で1LDKは少し狭いので……。どうせ住むなら、2DKがいいですね。この間内覧した物件にまだ空きがあるか、聞いてみましょうか」
「やったー! 私、さっさと仕事を終わらせてくる!」

 先程までの憂鬱な気持ちは、一体どこへやら。
 私はやる気を取り戻して爆速で絵コンテを終わらせると、撮影スタジオに向かって走り出した。

「あんなに喜んでくれるとは、思わなかったな……」

 その後ろでこちらの背中を追いかける蛍くんが、ポツリと呟いた声を聞き漏らしたまま……。
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