友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
そんなかわいらしい彼女の姿を見てほっこりとした気持ちを味わっていれば、ジト目の蛍くんから「仕事に集中してください」と言わんばかりに促される。
「菫さん。それで、どの写真を選ぶんですか」
「ちょ、ちょっと待って! 1着目は36番、2着目は52……」
「ええ? それを選ぶの?」
私は慌てて先程ざっと目を通した時にメモをしておいた写真の番号を読み上げていくが、そこで待ったがかかる。
「一着目は25。2着目は68。こっちのほうが、たろーちゃんのとお洋服の魅力が引き出されてると思うよ?」
「うーん」
絵コンテ通りのポーズを選ぶか、カメラマンの感性を信じるか。
ここは重要な局面だ。
迷った私は、多数決を取ることにした。
「蛍くんと、モデルの九尾くんはどう思う?」
「俺は、どちらも遜色ないように見えます」
部下は何度も写真を見比べていたが、最終的には違いがわからないと匙を投げてしまった。
悩む暇があるならさっさと帰社して、原稿を完成させるのを優先するべきだと言わんばかりの顔をしている。
「……莉子」
「あっ! たろーちゃん! お疲れ様!」
「菫さん。それで、どの写真を選ぶんですか」
「ちょ、ちょっと待って! 1着目は36番、2着目は52……」
「ええ? それを選ぶの?」
私は慌てて先程ざっと目を通した時にメモをしておいた写真の番号を読み上げていくが、そこで待ったがかかる。
「一着目は25。2着目は68。こっちのほうが、たろーちゃんのとお洋服の魅力が引き出されてると思うよ?」
「うーん」
絵コンテ通りのポーズを選ぶか、カメラマンの感性を信じるか。
ここは重要な局面だ。
迷った私は、多数決を取ることにした。
「蛍くんと、モデルの九尾くんはどう思う?」
「俺は、どちらも遜色ないように見えます」
部下は何度も写真を見比べていたが、最終的には違いがわからないと匙を投げてしまった。
悩む暇があるならさっさと帰社して、原稿を完成させるのを優先するべきだと言わんばかりの顔をしている。
「……莉子」
「あっ! たろーちゃん! お疲れ様!」