弱さを知る強さ

◯あやは◯

金森先生の家族みんなお見舞いにきてくれて
昼からの検査が憂鬱だったけど少しは気持ちが和んだ

母「あやはちゃん、ケーキかってきたよ
みんなで食べよう」

「...今日、検査で絶食って言われていて」

父「検査か、ならダメだな」

「...」

聡「終わってから食えば」

大和「検査午後?」

「...はい」

聡「冷蔵庫に入れとくか」

母「そうね」

それからみんなは金森先生の小さい時の話やどんなことで喧嘩したかを話して気づけば昼を過ぎていた

...ガラララ

「ルートとるぞ」

金森先生がトレーに一式準備して部屋に入ってきた

「...」

聡「俺らケーキ買ってきたんだけど検査前で絶食って聞いたから冷蔵庫いれてる
終わったらお前らで食べて」

「おう、サンキュー」

父「じゃそろそろ帰ろうか」

大和「うん、またくるからあやはちゃん!」

母「うんうん、頑張って」

「ありがとうございます」

みんなゾロゾロと帰って行った

「気分転換になったか?」

「...」

一気に寂しくなる

「腕出して」

嫌だ本当に嫌だ
まだ心の準備ができない

「...」

「早く、検査の時間に遅れる」

「...」

「あやは、やらないと終わらない」

「...できない」

「できる」

「無理、できない」

「大丈夫、できるから」

「今日はできない」

「じゃいつならやる?」

「...」

「嫌なことを後にするといいことないからささっと今日やるぞ」

「...」

「一旦、腕だそう
ルート取るから」

「もうお腹痛くない」

「だから?」

「検査...」

「必要だ、この2ヶ月でどんだけ変わったか見るだけ」

「だけって...」

「別に俺じゃなくてもいいよ?
他の先生にお願いしようか?」

「...」

「とりあえずはルートとってから考えよう、腕」

時間がなくて焦っているのか優しい声のトーンじゃなくなってきた

怒られるのが怖くて腕を出した

駆血帯を巻かれて消毒

ドキドキが止まらない
さっきは点滴できたのに

針が入る瞬間、咄嗟に腕を引いてしまった

「危ない」

「...ごめんなさい」

「謝るならやるな」

「...」

「ささっとやるぞ」

「...」

「向こう向いといて」

次は腕をキツめに押さえられて針を入れられた
痛くはないけど気分は悪い

「薬は何も入ってない針だけ
あとで鎮静剤いれて寝てもらう
その後、しっかり寝たの確認してから検査始めるから」

「...」

「意識ないから何も考えなくていい、俺に任せて寝てて
できるだろ?」

「...うん」

「時間になったら迎えにくるから」

金森先生は出て行った

出来ることが当たり前って思われがちだけど
ドキドキするしできるならやりたくないし
みんな我慢してやってる

経験したことない先生や看護師はこの気持ち理解できないんだろうな

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