弱さを知る強さ
たまきちゃんとさっきのコンビニ前に戻ったら先生が座って携帯を触って待っていた

「金森先生」

「おう、よく戻ってきたな」

先生がたまきちゃんに声をかけた

「...」

「循環器の丸谷先生と看護師たちが探してる」

「...」

「検査やらなくてもいいから病棟もどれ」

「嫌です」

「倒れても誰かが助けられる環境なら逃げ続けてもいい
でも隠れるのは医者として怖い」

「...そんな環境、病院にはない」

うんうん、ない

「戻らないなら看護師呼ぶけど?」

「...」

「これ飲んだら戻れ」

先生は私とたまきちゃんにあったかいココアを渡してくれた

「...いいんですか?」

「いいよ、丸谷先生に許可とってるから」

「...ありがとうございます」

私たちは3人でココアを飲みながら病気の話は全くせず楽しい話をして過ごした

たまきちゃんも色々と葛藤している
学生生活が病気でなくなるのはメンタルしんどいよね

「そろそろ行くか」

みんなが飲み終わった頃、先生が声をかけて
たまきちゃんは立ち上がって歩き始めた

私と先生も一緒に歩いて病棟まで行った
先生はたまきちゃんの担当医の丸谷先生という女医さんと話をしていて私とたまきちゃんは部屋でお話しして待った

しばらくすると看護師がバイタルをはかりにきた
私はきっとお邪魔だね

「たまきちゃん、またね」

「うん、お姉ちゃんありがとう」

私は1人でそのまま部屋に戻った

たまきちゃんには申し訳ないことをした
そのまま検査させられてるんだろうな
怒られてるんだろうな...

しばらく考えていると先生が戻ってきた

「担当の先生怒ってた?」

「いんや」

「優しいんだね
金森先生だったら怒ってる...」

「ブチギレだろうな」

「そうだよね...」

でも他の先生だったらココアは買ってくれない
あそこですぐ病棟に戻れっていうだろう

金森先生は必ずひと呼吸おいてくれる
だからたまきちゃんは気分転換して病棟に戻れた

先生がそのひと呼吸を置いてくれて私は何度も助かった

私は金森先生のそういうところが好き

「でもあやは
お前看護師になるんだろ?」

「...うん」

部屋のソファに座って聞いてきた

「じゃあの行動は間違いだ
いくら気持ちがわかるからってあそこで逃すとあの子のためにはならない」

「...」

「看護師としては間違った行動だな」

「...」

まだ私看護師じゃないし

「そしてどこにあの子いたの?
みんな院内、探しまくったけどずっと見つからないのになんであやはが探すとみつかる」

「場所はたまきちゃんと約束してるから言えないけど秘密基地がある」

「院内に?」

「うん」

「えっ気になる
今度教えて」

「絶対いやだべーーーっ」

その次の日、私は無事に退院をした
退院前にたまきちゃんの部屋に寄って
また遊びに行く約束をした

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