弱さを知る強さ
◎恭介◎
5分も経たないうちに眠りについたが
まだ熟睡はしていないだろうから少し待って
点滴を腕に刺した
「...うぅ痛い」
案の定、眠剤なしだと針を刺した刺激で起きた
「大丈夫、終わったらすぐ抜くから寝とけ」
「...うん」
しばらく顔をしかめながら耐えていたが
「無理、気持ち悪い、吐きそう」
10分経ったくらいで起き上がった
「ちょい薬が入ってるだけ」
「...外して」
「今刺したところだ
あと3時間は辛抱だ」
「無理」
「寝てろ」
「うぅぅ、やばい吐く」
近くに置いていた嘔吐袋を差し出した
涙目になりながら嘔吐袋を抱えて吐き気に耐えている
背中をさすりながらどうしたらいいか考えた
「楽しいこと考えよう」
「...うぅ」
「明日、実習終わったらうまいものくいに行こう
何が食べたい?」
「...」
「あやは大丈夫だから落ち着いて呼吸しろ」
「外して」
涙を流しながら俺をみた
外してあげたい...
だけど明日の実習いかせるには点滴させたい
「じゃあ明日休めるか?」
「...実習?」
「うん」
「...無理、もう1日も休めない」
「じゃあもう少し耐えよう」
「...うぅ」
また嘔吐袋を抱えた
「もう無理だ」
あやはが点滴のルートに手をかけた
「ダメ、抜くな」
「もう我慢できない、辛い」
「わかってる」
「お願い、先生」
「じゃあ一旦抜いて総合病院に行って刺し直しかな
眠剤渡してやるから」
「もう体力がない、もう遅いし明日の実習乗り越えられない」
「...はぁ、ちょい我慢しろ
考えるから」
「うぅ」
総合病院戻すか...
眠剤があればいいんだけど...
聡に確認しよう
処置室を出て電話をかけた